Design Dialogue: Impact Kultur

craft beautiful experiences.

ユーザの置かれるコンテクスト理解の重要性

最近、デザイン分野のイベントになるべく顔を出すようにしています。先日、参加してきたのはUX Days Tokyoと言う団体による「コンテキストの理解と実践」というもの。

uxdt.connpass.com

このイベントの内容としては、下記のコンテキストに関するテキストを読み合わせ、それに関する簡単な課題を通してコンテクストについての理解を深めると言うものでした。

l-orem.com

イベントの内容としては上記した通りなのですが、下記ではUXにおけるコンテクストと言う側面から思うところを書いてみます。

コンテクストが重要と言うのはUI/UX評価経験者であれば当たり前のことです。サイトやアプリ、IoT製品でもなんでも良いのですが、ユーザとのタッチポイントを含むプロダクトやサービスをデザインする上で、コンテクストの重要性はスマートフォンの普及により、そして使用シーンの広がりにより高まる一方ですから、ユーザビリティ評価をする時にだってコンテクストには十分な配慮を行います。

スクリーンの外に出て、人が介在するサービスを考えると、顧客のコンテクストに配慮するのってとっても当たり前です。例えば高級レストランにいくと、女性側には価格の書かれていないメニューが出てくる場合があります。アパレル店舗の販売員は顧客のコンテクストを推測した上でアプローチを変えています。そしてこれらの対応が、顧客の満足度やコンバージョン率を高めていることは想像に難くありません。

私が研究テーマとしてWebサイトのユーザビリティ評価や改善などをしていた2008年ごろ、Webサイトと言うものは基本的に、PCから閲覧するものでした。もちろん、ノートパソコンは世の中に多く出回っていましたので、自宅のリビングで見るか、オフィスで見るか、カフェなど外出先でWebサイトを見るか等の違いはありましたが、制作側がサイト閲覧者の置かれたコンテクストに注意を払うことは、そこまで多くなかったように思われます。

例えば特定のサイトにリンクを張る時に「音が出ます!注意!」と書いたり、肌色が多いサイトへリンクを張る場合は「職場での閲覧注意」等の注釈をつけることはありましたが、それらは顧客の置かれたコンテクストに配慮していると言うよりは、限られた状況におけるお約束のような側面もありました。

しかしながらiPhoneAndroidのようなスマートフォンや、タブレットの普及等により、ユーザがアプリを使用したりWebサイトにアクセスするコンテクストの種類は大幅に増えています。例えば私自身が日常的に使用するiPhoneのアプリを考えてみても、例えばRuntasticはランニングや自転車に乗る時に使用しますし、Tカードのアプリはファミリーマートで会計する時にバーコードを表示するために使っており、それ以外のシーンで起動することはまずありません。目覚まし時計アプリは寝る前にセットして朝、アラームを止めるわけですからベッドの上以外で使用することはまず無いでしょう。このように、アプリの種類や目的によって使用するシーンがそれぞれ違うわけですから、望ましい画面UIや機能もそれぞれ違い、それを考慮した上でデザインを作り込んでいく必要があります。

アプリ開発者/デザイナからすると、顧客がどういったコンテクストで自分たちのアプリ、サービスを使用するかは自明であると思われるかもしれませんが、あえて明文化する事でチーム内でのズレを最小化する事も出来るでしょうし、自分たちが想定していなかった使われ方やコンテクストの存在に気づく事も出来ます。

明文化の方法としてはわかりやすいのは、ひとつはカスタマージャーニーマップや、ストーリーボードを使用する事によって、デザイナが想定するユーザのコンテクストを可視化していくことでしょうか。もちろんここで作成したマップは、いわゆる仮説検証プロセスの中で常に修正し、それをプロダクトに反映させていく必要があります。ログを解析してみたら我々が想定していたものとは異なる使い方をユーザがしていたと言う事も珍しい話ではありませんから、ユーザに対して届ける価値を最大化するために、ユーザを正しく理解していくことが重要です。