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CIIDの卒展に行ってきた

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1年ぶりにコペンハーゲンに行ってきました。目的は私の母校CIIDの卒業展示です。CIIDの卒展は普段学生達が授業を受けたり、制作に取り組んでいるスタジオで毎年12月に行われています。会場の雰囲気はこんな感じ。結構多くの人でごった返しています。

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会場に来ているのは、学生の友人、家族、OB/OG、デザイン関係者、デザイナを採用したいと思っている企業のリクルータなど様々ですが、私が参加した理由のひとつは、私の同級生に会うためでもありました。クラス25人のうち、流石に全員とまでは行かないものの半数近くの同期が集まり久しぶり!最近何してるの?などと現役生の卒業展示を見ながらお酒を飲んだりしておりました。

デンマークに来たのは同級生に会うためと言うのももちろん大きな理由なのですが、デンマークでデザインを学ぶ日本人に会うためというのもひとつありました。例えば、CIID IDP2017の神谷さん。

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それから日本のデザインに絶望したブログを読んで個人的に注目していた平野さん。

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さらに、たまたまではあるのですが、カオスパイロットに留学中の方にもお会いして、色々とお話をする事ができました。その後、平野さんが下記のような事をつぶやかれていて、もちろん主観ではあるのだけれども、それぞれの学校ごとに違いがあって面白いです。

CBS(Copenhagen Bussiness School)に関しては私もそこまで詳しいわけではないのですが、CIID(Copenhagen Institute of Interaction Design)も、DSKD(Design School Kolding)、カオスパイロットもそれぞれデザインを学ぶ事ができる大学です。

だけど、それぞれアプローチが結構違うんですよね。例えばCIIDは学生に対し、彼らが何らかの分野でそれなりの専門家であることを要求します。グラフィックデザインなど、いわゆる伝統的なデザインの人もいますし、エンジニアリング出身の人も居れば、マーケティング経理などビジネス面出身の人もいます。既にそういった専門性を持った人に対してデザインのスキル・知識を教える事によって、彼らが卒業後、もともとの専門性とデザインの領域におけるハイブリッドな人材として、世の中に新しい価値を提供することを期待しているわけですね。

その一方でDSKDやカオスパイロットでは、入学生にそこまでの専門性を求めない印象を受けました。私自身話を聞いただけなので実際そこまで詳しいわけではないのですが、DSKDではテキスタイルだったり、ゴールドスミスだったりと様々な分野があるのですが、それらの専門技術を磨くと同時に、それらの技術を礎に社会に対してより大きな価値を提供していくアプローチであるように感じています。カオスパイロットに関しても同様で、いかに斬新な発想を得てそれをプロジェクトとしてまわしていくかにフォーカスしているのかな。そのため前者は表現が好きじゃないとつらい、後者はやりたいこと持ってないとつらいと言う表現になるのも理解できます。

ちなみにCIIDについては私は下記のように補足したのですが、ニュアンスとしては似たようなものでしょう。

これは最近友人と話をしていたことでもあるのですが、そもそもインタラクションデザイナーやサービスデザイナーをゼロから育成するのってメチャクチャ大変なんですよね。であれば、CIIDだけでなく、イリノイ工科大や、スタンフォードd.schoolやデザインインパクト、RCAIDEなど、何らかの専門性を持った人にデザインを学んでもらった方が良いだろうというのは、至極当然な発想であり自然な流れだと捉える事ができます。

と思ったら最近似たような事が書いてあるブログ記事を読みました。この流れは今後もしばらく変わることは無いだろうなと思いますし、そうなった場合、インテンシブで、イテレーティブな仮説検証としてのプロトタイピング手法をいかに組織に埋め込んでいくかがポイントになってくるのではないかと思います。

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